虫と歌

月刊 アフタヌーン 2006年 10月号 [雑誌]
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/
>ヤマカム
>
>今月号のアフタヌーンの附録四季賞の「虫と歌」がすげぇ。
>絵柄で意見が分かれそうですけど、ストーリーが半端ない。
>これアフタで連載するのか知りませんが市川春子先生…、チェックしときましょう。
 
ヤマカムさんの冒頭にキャプ画像付きで、こんな文章が載っていました。
新人好きですので、理沙もとりあえず読んでみようと頭の片隅に置いていたのですが
この前の図書館島でアフターまでの待ちがかなりありましたので
近くのコンビニで何かないかなぁ・・・っと、ちょっと見てみましたら
そこにアフタヌーンが置いてありましたので
「いい機会ですから、ここで読んじゃおう・・・」
っと、生まれて初めてアフタヌーンを買いました。
 
早速、ヤマカムさんオススメの
「虫と歌」
という作品を読んだのですが、読み終わった感想から書きますと
とにかく、ネーム力が凄まじいですね。
無駄なセリフが一つもないのに圧倒されました。
会話の途中で、セリフが終わる箇所が結構見かけるのですが
逆にソレが妙な緊張感や静けさを現していまして
物語にグイグイと引き込まれてしまいました。
 
ストーリーは男二人女一人の青春活劇のような出だしで始まります。
そこにハリボテのカブトムシを作っていたり
昆虫がたくさん逃げ出したりと、文化祭とかそういうお話しなのかぁ・・・
っと読者に思わせた所でカミキリムシを基本にした人造人間が現れまして物語は急変します。
つまり、そういう昆虫と人間を融合したアンドロイドを作っているっていうのが
ここで分かりまして、この漫画はそういう話しだと分かるわけです。
その後は、そのカミキリムシの人造人間との奇妙な同居を主体に
話しが進んでいくのですが、やはり基本は昆虫・・・。
最後には死んでしまいまして、コレでこの漫画も終わりかなぁ・・・
っと思わせた所に、もう一山展開が待っているわけです。
この展開は、ちょっとネタバレになりますので書きませんが
やっぱり、何かホロリとさせてくれます・・・。
ぶっちゃけ、最後の展開はよくある話しといえばそれまでなんですが
そこはやっぱり、この漫画独特の空気・・・静けさが際だっていまして
非常に驚かされてしまいました・・・。
 
絵柄については、ヤマカムさんも書いてある通り、かなり癖のある絵柄です。
コマ割りも単調ですし、合わない人は本当に合わないかもしれませんが
ま、そこは目をつむって読んでみて下さい。
こういう漫画もあるんだ・・・って思えば結構読めますから・・・(汗)
 
全体的な感想を書くならば、冒頭でも書きましたが
ネーム力の凄さがやっぱり際だっていますね。
それと併合に、世界観の作り方、静けさを描くのが本当に上手い。
新人で、この独特の世界観・・・そして、昆虫を使ったこのアイデア
描ききったのは本当、凄いと思います。
ただ、しいて難を言うならば、フキダシが誰が誰にに対して喋っているのが
ちょっと分かりづらかったですねぇ・・・。
ま、ここらへんは何回も読めば自ずと分かってきますが
初見ですと、ちょっと分からなかったです・・・。
ですが、久々にいい新人さんを見たような感じで理沙は嬉しいですねぇ・・・。
次回作に激しく期待です。